2006年 02月 11日
ポタラ宮殿とチケット |
チベットのラサに行ったときの話。チベットの象徴と言ってもいいポタラ宮殿。ラサの街のどこを歩いていても目に入ってきます。
東京で言えば東京タワーの感じでしょうか。「アッ、ここからも見えるんだ」といった感じ。
ラサに行ったら絶対はずせない観光スポットの1つです。すごい存在感。
外から眺めるのはもちろん、中にも入ってみたいと、誰もが思うはずです。
しかし、私がラサに行った時ちょうど中国のえらい人がラサに視察に来ているとか、裕福な中国人のあいだでチベット旅行が流行っているとかで、ポタラ宮殿のチケットがなかなか手にはいらない状況でした。
チケット売り場は閉まっていて、周りには中国人のダフ屋と思われる人が大勢集まっていました。
誰に聞いてもチケットは買えるのか?いつ開くのか?なにもわからず、ただあてもなく待っているという感じ。
我々旅行者はいつ開くかもわからないチケット売り場にただ待っているわけにもいかず、その日はあきらめめました。
次の日、朝早くチケット売り場に行ってみると半分開いたシャッターに何十人もの人か手を突っ込んでチケットを買おうとしています。
その戦場に加わろうか?どうしようか?迷っている間にガラガラと無理矢理シャッターが閉められクローズしてしまいました。
これは何日待ってもチケットは手に入らないと思った私はホテルに戻りフロントの20歳前半と思われる中国人男性スタッフに相談してみる事にしました。案の定150元で手に入るとの事。正規料金70元だけどしょうがないかと頼む事に。
夕方またカウンターに来るようにと言われ、先にお金を払いノルブリンカなどの他の観光に向かいました。
夕方フロントに戻ってみると、彼は悲しそうな顔をしながら「No」手に入らなかったと言ってきました。
ダフ屋に頼めば大丈夫だろうと思っていた私もショックでお金を返せと強い口調でいってしまいました。
でも、ここから話がヤヤッコしい方向に。
彼が片言の英語と漢字の筆談で話しはじめました。彼は大学生で、就職活動の一環でこのホテルに研修に来ていて今日がその研修の最後の日であると。明後日には自分の街に帰る事になっていて、せっかくラサに来たのだから自分もポタラ宮殿を見学して帰りたいと思っているとこと。
あと50元足して200元だせば知り合いに頼み中国のお偉いさんの団体に混ぜてもらいポタラ宮殿に入れる、一緒に行かないかと持ちかけられました。
あやしい。まずはじめに思いました。話ができすぎている。
騙されまいと身構えていたのですが、ふと話にのってみるのも面白いかもと思ってしまいました。
200元といえば3000円ぐらいですがなんかおもしろいことになりそうな予感がしました。
彼もそんなに悪そうには見えないし。
結局、怒りながらお金お返せと言ってしまった手前、渋々といった感じでOKしました。
次の日の朝、彼はいつものホテルの制服ではなく私服でニコニコしながら待っていました。
歩いてポタラ宮殿に向かう途中彼が不思議なことを言いだしました。
君達の事は中国人だと伝えてあるので絶対に話をしてはダメだと、何か聞かれても答えなくていいと。
なんかクスクスと笑ってしまいそうな感じでしたがわかったと承諾しました。
ポタラ宮殿の前でミニバスが待っていました。
私たちがバスに乗り込むとすぐに発車。
中には中国人が約20人ほど、なんの団体なのかさっぱりわかりません。
絶対に話してはダメと言われているので始めのほうは静かにしていました。
ポタラの裏手をどんどん登っていきます。
バスをおりる時に待望のチケットが渡され、いざ中へ。
999部屋あると言われているようですが、見学できるのはほんの一部のようです。
たくさんのひとが見学していましたが、ほとんど中国人のようでした。
自由に見学したいのですが、彼がぴったり横についてきて「わ!大きなターコイズ」なんて日本語で言ってしまうと、
すかさずしゃべってはダメだと怒られてしまいます。
ほかの中国人の団体の人にはもうバレてると思うのですが。
だんだん彼の事がうっとうしくなってきてしまい、彼をマクことに。
運良く欧米人の団体旅行者に紛れて追っ手から逃れる事ができ、その後は自由に見学して帰ってきました。
彼にはすこし悪い事をしたかもと思っていますが、今頃なにをしているのでしょうか?
名前も今では忘れてしまいました、ポタラ宮の屋上で肩を組んで撮った写真が唯一残っています。
なんとか手に入れて中に入ってポタラ宮殿ですが、外から眺めているほうが好きかも。
ダライ・ラマも本の中で書かれていました。小さい頃はポタラでの生活がいやでいやでしかたがなく、ノルブリンカで過ごす夏が待ち遠しかったと。
誰でもあんな薄暗いところに住むのはイヤだと思います。
それにしても完成したのが1695年と聞いてびっくりしました。
300年以上も経っているなんて。
ユネスコの世界遺産には1994年に登録されているようです。
by agas_a
| 2006-02-11 17:18
| 旅